屋台リサーチプロジェクトー福岡博多編ー

本プロジェクトは、下寺孝典が東南アジアの移動式屋台を調査してきたことを起点に始まった。現地でのフィールドワークや屋台工場での滞在を通して見えてきたのは、屋台が単なる飲食の場ではなく、人々の交流や経済活動を支える都市のインフラであるということだった。その背景には、屋台を設計・製作する職人、修理・メンテナンスを担う工場、資材を供給する人々など、多様な営みが複雑なネットワークを形成している。この関係性を「屋台の生態系」と捉え、屋台を取り巻く人・もの・場所のつながりをリサーチしている。

2021年、新型コロナウイルスの影響によって海外での調査が困難となったことをきっかけに、日本の屋台文化へと視点を移した。当時、まちづくりやアート、公共空間のプロジェクトでは「屋台」という形式が数多く引用され始めていた一方で、その背景にある都市との関係性や社会的な仕組みまで十分に捉えられている事例は多くなかった。そこで、日本を代表する屋台文化が現在も息づく福岡市を調査対象とし、屋台を起点に都市の構造や公共空間、人々の営みを読み解くリサーチを開始した。

福岡の屋台は、昼間は駐車場などに保管され、夕方になると「引き屋」と呼ばれる人によって営業場所まで運ばれ、店主が短時間で組み立てることで夜の街に現れる。その背後には、屋台職人や修理工場、行政、利用者など、多様な主体によるネットワークが存在し、屋台は都市の中で独自の生態系を形成していることが明らかになった。

本展では、2021年9月に福岡市で実施したフィールドワークをもとに、写真や映像、図面、リサーチ資料を通して、屋台から見える都市の構造を紹介する。屋台という小さな建築を通して、普段見過ごされている公共空間や人々の営みに目を向け、都市を新たな視点から捉え直すことを試みている。


  • Exhibition: 屋台リサーチプロジェクトー福岡博多編ー

  • Dates: 2021.10

  • Venue: Super Studio Kitakagaya(大阪)

  • Organized by: 屋台リサーチプロジェクト

  • Curation: 藏薗 悠介

  • Exhibition Design: 下寺 孝典(TAIYA)

  • Illust: Lily kumachan

  • Supported by: わっぜか、花山

  • Grant Support: 公益財団法人小笠原敏晶記念財団

  • Photo Credit: 中谷 利明、増田好郎(展示写真)

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屋台リサーチプロジェクトー西日本編ー